2022年3月17日(木)、ロシア連邦獣医植物検疫監督局(ロッセルホズナゾル)の発表によると、モスクワの食肉生産・販売会社であるミラトルグ・アグリビジネス・ホールディングがサイバー攻撃を受け、Windows BitLocker機能を用いてファイルが暗号化され、ランサムウェアと同様の影響をITシステムで受けたことが明らかになりました。ロッセルホズナゾルは発表の中で、ミラトルグ社はロシア最大の食品供給業者の1つであることから、攻撃の背後にある理由は金銭的なものではなく、妨害行為のように見えると述べています。脅威アクターは、VetISと呼ばれる獣医分野の組織のための国家情報システムをターゲットにして、ミラトルグ社のシステムを危険にさらしたと考えられています。
ミラトルグ社は、このインシデントに関する声明を発表し、インシデントの影響の解消、またビジネスの正常な機能回復のためにすでに取り組んでいることを明らかにしました。なお、今回のインシデントがロシア国民への供給や出荷に影響を与えることはないとしています。ロッセルホズナゾルは、製品の移動に関する厳しい書類規制を一時的に解除し、インシデントの影響を軽減することを期待してミラトルグ社を支援しています。また、ロッセルホズナゾルは、VetISを使用しているロシア国内のすべての企業に対し、ファイルやデータベースのバックアップを不揮発性の媒体に作成するよう勧告しています。
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